よつばと!に見る可能性。

はじめに

こんばんは。
期末テストも終わり、一段落ついたかなと思いきや、退寮の準備、大学推薦などなど、当分忙しくなりそうです。
さてさて、今回は日本に受験で帰っていた友人が「よつばと!」9巻を買ってきてくれたので、その感想を書いてみます。
よつばと!」全体としてのレビューは以前書いたので、すこし違う点からのアプローチで書きま・・書けたらいいな!

レビュー

約1年ぶりとなる最新刊。
1巻と比べると絵や背景なんかもますます綺麗になってきていて進歩が感じられます。
キャラクターの書き方については慣れてきたと言ってもいいかもしれません。
よつばと!の世界観については以前のレビューでも述べたことですので割愛しようと思いましたが、今回最新刊を読んでみて改めて感じたことなんかを。
以前のレビューではいわゆる「日常系」の漫画です、と述べました。
しかし、私としてはどこかに属させるなら「日常」というジャンルに属さざるを得ない。という認識のもとで「いわゆる「日常系」の漫画です」と発言したんだなぁ、と自分の認識についてようやく自分でも理解できた感じです。


「お前の言ってることがよく分からん!」
ごもっともです。すみません。
私の中で、いわゆる日常系の漫画というのは例えば、「らき☆すた」や「苺ましまろ」なんかがそうです。
決して、このような日常系の漫画を否定しているわけではなくて(実際、私はらき☆すたとか苺ましまろも好きです)、明らかにそのような日常系の漫画とは違うんだけど、やっぱり「よつばと!」も日常を描いてるよなー、ということで私の中で「日常系」漫画に分類しているだけです。
個人的には、よつばと!で一つのジャンルでもいいんじゃないっていうぐらい、毛色が違う気がします。


じゃあ、実際にどう違うのか。
これに関しては、以前のレビューではしっかりとした文章にできませんでした。
今回は自分なりにどう違うのかという点について、文章化します。
色々批判きそうだけど、まず「日常」を分類します。

  1. ありえない日常
  2. あってもおかしくない日常
ありえない日常

1には、先程の「らき☆すた」や「苺ましまろ」が入ります。
笑えるし、かわいいし、すばらしい日常なんだけど・・・よくよく考えると、ありえない日常だよなー、という。
作者によって作り上げられた日常の世界といってもいいかもしれない。
作者が考える、理想の日常とかそんな感じです。
例えば、「苺ましまろ」。
ありえないでしょ?可愛い小学生の女の子4人と、クールでかわいい女子高生1人に囲まれる日常だなんて。
あんな場所に俺がいたら、間違いなくロリコン変態野郎になってしまう・・・w
らき☆すた」も登場人物がやたらと女の子だらけで、素晴らしいと思います!
泉こなたの父親とか、現実にいたら捕まるよなーとか思ったりも・・・w


全部が全部ありえないというわけでは無いですが(例えば、オタクで可愛い女の子とかいくらでもいるだろうし)、やはりその日常がある世界を想像するのは難しい。
想像するのが難しいから、そういう漫画を読むのかもしれません。
最後に、1の分類において、重要なのは「キャラクターで魅せる漫画」が多いということです。

あってもおかしくない日常

今のところ、ここに属しているのは私の中では「よつばと!」だけです。
「となりの家が三姉妹で、美人だしかわいいし、よつばが暴れても怒らないし、あんな家あるわけないだろ!」って言われたら、ちょっと困っちゃうんですけど・・・。
そこを上手く言葉で説明できないのがもどかしい。
多くはないだろうけど、存在はすると思える日常であるし、想像しやすい日常だという感覚でしょうか。


先程、1に関しては「キャラクターで魅せる」という点を最後のポイントとしてあげました。
この点に関しては、「よつばと!」を読んでいただければってもらえるかな、と思います。
背景の書き込みや小物、様々な事象に対して、積極的にリアルさを追求しているような感じで、「世界観で魅せる漫画」といえます。
このキャラがー、このネタがーとかじゃかなくて、「よつばと!」の世界をまるまる楽しむ。という日常漫画かな、と。


今回は「あってもおかしくない日常」と書きましたが、以前のレビューでは、「理想の日常」がそこにあると書きました。
でも、例えば、「苺ましまろ」の世界が理想っていう人もいるかもしれない。
でもそれは、その世界がありえないと知っていているからこその理想であって、あり得る範囲での理想ではないわけです。
あり得る範囲での理想として考えられるほどに、「よつばと!」にはリアルな世界が存在している。
そう意味での、「理想の日常」というわけです。
俺がそこに存在してても違和感ないんじゃないか、っていうくらいの世界。
漫画という二次元の世界を超えて、自分がその世界にぽんと飛び込めるような気さえします。
漫画という文化において、ここまでのリアリティを出せている、ということで、ただひたすらに漫画の可能性を感じさせます。


漫画って馬鹿にされるようなものじゃなくて、本当に素晴らしい文化なんだよ、文学なんだよって言いはれるような可能性を感じさせてくれます。
価値観は人の自由ですが、個人的には、「所詮、漫画だろ。」みたいに馬鹿にするような人ってのは信じられないです。
本当に漫画という素晴らしい文化がある国に生まれて幸せです。

9巻で印象に残った話など

ようやく本題の9巻ですw
今回、特に印象深かったのはよつばが気球を見に行く話です。

しっかり取材しているからこそ、こんなリアリティが出せるんだろうなーと。
実際に気球を見に行ったら、それはそれで別物なんだろうけど、まるで俺も一緒になって見てるような感じもする。

実際に自分がその場で景色を見てるような錯覚に陥るのに、この視点の変化があると思います。
普通、3コマも使わないような微妙な動きが描かれています。
それとともに、よつばも上を向いています。
こういうデティールが、この作品にこれほどのまでのリアリティがある一つの要因かな、と。
ただ、物とか背景とかをリアルに書き込んでるだけの漫画ではないということですね。

相変わらずの背景。
俺も一緒に気球乗ってるぜーって感じです。
そういえば、この前「みなみけ」読んでみて、背景のなさにびっくりした。
あれこそ、ありえない日常に属する漫画と言えるかも。
かなりキャラクターで魅せる比重に偏ってる気がします。


9巻になって、より背景が緻密になってきた気がします。
否定的な見方もあるかもしれませんが、私としてはよりよつばが生きている世界が伝わってきていいかなー、と思います。
また、今までの巻に比べるとちょっとだけ笑える要素が増えたというか、ちょっとギャグっぽくなった印象があります。
今までのまったりした感じもいいですが、今回のようなちょっと違う雰囲気もまたいいなぁ。
これからの話にも期待したいです。
早く、漫画の中の季節が冬にならないだろうか。

後記

簡潔にまとめようと思いましたが、やっぱり好きな漫画について書くと長くなってしまいますね。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
もし、興味があればぜひ読んでみてください。
私の中では、一番おススメの漫画です。
色々訳わからん事を書いてますが、「くすりと笑わせてくれる、こころあたたまる漫画」ですので。


あと、非常に素晴らしいなーと思った「よつばと!9巻」の感想を紹介します。
俺もこんな感じの整った感想を書きたいです。
俺の漫画レビューはグダグダすぎるので・・・orz
「よつばと!」9巻 - G.A.W


よつばと!  9 (電撃コミックス)

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