「3月のライオン」5巻に感想を添えて。



よつばと!」と同じく、11/27に最新巻の5巻が発売されました。
こちらもぽんぽん新刊が出る作品では無いので、嬉しい限り。


話は獅子王戦でストレート負けを喫した島田さんの故郷に戻るところから始まります。
ストレート負けで合わせる顔がないと言う島田さんを迎える故郷の人たちの心の暖かさが伝わってくるような話。
そんな話から5巻は始まります。


さて、第5巻の見所というと、やはり桐山くんがひなちゃんに誓いをする回でしょうか。
帯にも「僕は君に約束をする 誓いの第5巻」とありますね。
桐山くんの辛かった小学生時代の回想を交えつつ、ひなちゃんが学校で直面している問題が展開されていきます。
「いじめ」とか「ひとりぼっち」とかそういうちょっと重たいテーマです。
読んでいて、こう、ちょっと涙が出てきそうになる感じでした…


ぼくは小中高と転校続きの人生ですが、幸いにも友達にも恵まれてあまり寂しい思いはしませんでした。
強いていうなら、中学二年の神奈川に居た6ヶ月間は少々、いじめとまではいきませんが、辛かった時期もありました。
「ひとり」で居る時が多かった気がします、無意味に殴られたりしたこともあった覚えがあります。
大人ならまだしも、「ひとり」ってすごくつらいんですよね。
誰も自分を見てくれない、見てるのに見て見ぬふりをされるってすごくつらいんですよね。
5巻の作中にもありましたが、そういう人を助けに入ると「今度はじぶんが・・・」ってなっちゃう。
そうだよね、そう思っちゃうよね。
だれだって「ひとり」は嫌だもの。
でも、作品でその問題の渦中の人を助けに、いや「助けてあげる」なんて考えは毛頭なかったでしょう。いつもどおり、今までみたいに普通に接していたひなちゃん。
そして、彼女が今度は標的になってしまったわけです。
そんな彼女が言い放った「後悔なんてしない、しちゃダメだ!だって私のしたことはぜったいに間違ってなんかいないっ!!」という言葉には作中の桐山くんと同じくらい衝撃を受けた気がします。


今後の6巻からの展開にも注目です。
逆境に負けない姿を見たいなぁと。
ぼくも、つらい思いをしている人のそばにいつもどおり居てあげられるような人になりたいなぁ、などと感じつつ。