海外生活と4つのステージ

"idea"ということで、海外生活に関して私が考えたことを綴ってみたいと思います。
最近、レビューブログという方向性がずれてきている気もしますが、"Idea"を綴る"Note"ということで許してください。
この文章を書くきっかけになったのは先日学校で行われた英語のテスト、「海外生活」をテーマとした英語の長文がきっかけとなっています。
いつもの記事とは毛色が違うのですが、読んでくれると嬉しいです。
コメントなんかで、感想なんかをもらえると嬉しすぎて死にますw
海外へ移住し、そこで暮らす・・・ということになったとき、我々には大きく分けて4つのステージがあるそうです。

  1. Fascination(魅惑)
  2. Puzzlement(困惑)
  3. Adjustment(調節)
  4. Acceptance(受諾)

第一段階:Fascination

第一段階は、まずその国に魅了されるところから始まる。
ここで、「始まる」と断定しているのは私自身がそうであったからに他ならない。
他の海外在住者が初期の段階でどうおもっていたのかは分からないけれど・・・
少なくとも、私自身はこの定義づけには納得できる。


「魅了」とは言うけれど、一体どのようなものなのだろう。
原文の中では、「ハネムーンステージ」という記載もある。
つまりは、旅行者のような感覚で異なった国での生活を楽しんでいるということであろう。
新婚カップルが新婚旅行として海外旅行に行って、異国の文化などを楽しんでいると考えても良いかもしれない。
まだこの第一段階では「在住者」という意識はなくて「旅行者」、つまり長期滞在する人間ではないという意識が強い段階だと言い換えることができるだろう。
何もかもが「新鮮」で「珍しく」、「面白い」のだ。


そう、私もバンコクに家族で越して来たときはそのような感覚を持っていた気がする。
日本とは違う、とても広いマンション。
プールもあれば、サウナもある。ジムもついてる。
外にでれば、いつもとは違った食事がある。違った文化も、いろんな人種の人もいる。
「めちゃくちゃいい暮らしじゃないか!」と。
バンコクに来た当初、私は確かにそう感じていた。
まるで「旅行者」だったな、と思う。
そして、「これは旅行じゃなかった。」と思うとき、次の段階に移行する。

第二段階:Puzzlement

直訳だと、「困惑」。
楽しかった旅行気分の生活は終わって、この地で数年間暮らしていかなければいけない、という現実に引き戻される。
この段階に移行するのにどれくらいの期間を有するのかは分からない。
私の場合は、いささか早かったかもしれない。
日本みたいに水道水は飲めない。
やたらと暑い。空気も悪い。
物乞いの人が多くてびっくりした記憶もある。
正直言って、汚い街だった。
恥ずかしいことだが、中学2年にして私は泣いてしまった。
「何が悲しくて、こんなところ(かなり失礼な表現だが、当時はこのような考え方だった気がする)で暮らさなきゃいけないんだ!」と海外赴任になった父親を恨めしくおもったことさえある。
タイ料理も今では食べられるようになった。
けれど、最初の頃は口に合わなかったような気がする。


少々表現が陳腐で、この程度では「困惑」とまでは言えないかもしれない。
けれど、中2の私にはなかなか衝撃的だったのだ。
「カルチャーショック」というやつかもしれない。
今にも、死んでしまうんじゃないかと思えるような人が物乞いなんかをやっている姿は、「豊か」であろう日本で、ある程度客観的に見て普通以上の暮らしを父親のおかげでしていた私にとっては・・・・そう、本当に衝撃的だった。
上からの目線で「かわいそうだな。」と思っていた当時の自分が情けない。


私の昔の思い出は少し放っておこう。
タイのバンコク、海外に在住するとなったとき、バンコクで暮らすのは比較的容易だと思う。
なぜなら、日本人在住者が多いからだ。
当時の私には「衝撃的」で「困惑」したバンコクの生活だった。
しかし、日本人在住者がほとんど居ない国ならどうだろうか?
きっと、私とは比にならないほどの「衝撃」と「困惑」があるのだろう。


さて、この段階ではもう一つ、気になる記述が原文にはあった。
「困惑」してしまい、自分と同じ人種、自分が慣れ親しんでいる人たちのコミュニティに漬かってしまうというものだ。
私はバンコクに在住していた期間、「日本人学校」に通っていた。
「インターナショナルスクール」に通うという勇気はなかった。
「現地校」なんかもってのほかだ。
バンコクには「日本人会」なるものもあったし、日本人向けのお店も多かった。
タイ語なんかを覚える必要はほとんどなかったのである。
バンコクにいたころの私はこの第二段階でとどまっていたのかもしれない。
ほとんど、「ローカル」の人たちとは交わらなかったからだ。
修学旅行で少し、国際交流をしたくらいではないだろうか。


自分の文章力の無さが悲しくなる。
つまり、この段階では。

  1. 新しい生活に「困惑」を覚え
  2. 同じ人種のコミュニティなど、楽なほうに流れはじめ
  3. ローカルな関係は発生しにくい

こんなところであろう。
皆が皆こういうわけではないし、日本人がいないような地域ではこの段階をすっぽかして第三段階に移行する人もいるだろう。
でも、この段階に居る人もすくなからず居るのではないかな、と思う。

第三段階:Adjustment

「調節」、どういうことなのか?
原文では、「(第二段階、困惑していることを)より楽しくなるような解決法は、あなたがその国のあるがままに適応し始め、第三段階に移行することだ。」とある。
このままだとちょっと分かりづらいかもしれない。
例えば、私の場合だと、いつまでも「日本」に執着していないで「その国」自体を見ようよ、ということなのかな。
うーん、ちょっと解釈がしずらいな。


他には、こんな記述があった。
「ローカルの"悪いところ"を探そうとするのではなく、"良い"とか"悪い"とかの考え方は他国の文化において、何の意味も持たないということを自分で気づかなければならない。そんなことをする代わりに、ローカルの人々を理解することを始めてみよう。」とあった。
なるほど、私がこの段階に移行したのはシンガポールにきてからかもしれない。
相変わらず、「日本人学校」という日本人のコミュニティで生活はしているけれども、バンコクに居た頃と比べると大違いだ。
国際交流のイベントには積極的に参加した。
イスラム教とか、ヒンドゥー教の人たち独特の文化行事も見学した。
短いけれど、ホームステイにも参加して現地の友達もできた。
ようやくこの段階にして父親に感謝できたように思う。
日本では決して体験できないことを、させてもらったわけだから。
そして、私も高校生にして、そのような経験に価値を見出すことができるようになったのかもしれない。


「困惑」を抜け出して、「理解」しようとする。
そのような姿勢に変化したときが、第三段階のはじまりということでしょう。
ぎこちなくても、ローカルの人と交流してみるだとか、ささいなことから始めていくといいのかもしれません。
最後にもう一つ、原文から。
「もしあなたが、心をひらこうとしたのなら、時間をその国についてより多くのことを学ぶことに使いなさい。そうすることで、あなたは十分に前進することができるだろう。この段階では、家に篭っていないで、外に出て好きなことを見つける、そしてその国の言語を勉強しつづけること、それが大事なのである。」

第四段階:Acceptance

「受諾」ということで、調節する段階から一歩進んで受け入れるという段階です。
半年、一年、もしくはそれ以上の長期の滞在を経て、この段階に進むのだ、と原文にあります。
私の場合何年かかってんだよ、という感じですが・・・。
「オーディオ」という趣味を持ったのが一つの大きな要因です。
英語のオーディオフォーラムに参加し、英語は下手ながらも意識的にコミュニケーションをとろうとしました。
もしかしたら、これはまだ三段階目なのかもしれません・・・。
でも、実際に人に会って、ヘッドホンを借りたり、アンプを作ってもらったりだとか色々とオーディオを通してローカルの人との交流は増えました。
そう、シンガポールで生活することが楽しくなってきたのは、本当につい最近なのです。


原文ではこのように記述されています。
「この段階では、もうあなたはこれ以上、人々の特質だとかそういったものをみようと思う必要はない。個人個人を見なさい。そうすれば、ほら、心地よさをあなたは感じ始める。何をすればいいのかが分かる。もう、偏見だとか昔の考え方はやめなさい。でも、そのあなたが通ってきた道・段階がいまのあなたを形作っているということは心に留めておかなくてはならない。自分の未来についての希望が見えてきたでしょう?すべては、この段階のために繋がっていたんですよ。」


おお、なんかカッコイイ。
まだまだ英語は下手だけれど、今、私は確かに心地よさを感じている。
ならば、私はこの段階にたどり着いたのかも知れない。
今年、高校を卒業したら日本での生活がはじまる。
残り少ない海外生活を思いっきり楽しみたいなぁ、と思う。
そして、すべての海外在住の日本人がその生活を楽しめるようになればいいな、と思いつつここで終わります。

後記

文章を書くのが下手だなぁと思いつつ。
本当に良い英語の文章だったのでおもわずこのような記事を書いてしまいました。
長い文章でしたが、お付き合いいただいた方・・・ありがとうございました。

※原文からところどころ日本語に訳して記述していますが、それほど厳密に訳したわけではないのであしからず・・・。英語力が低くて申し訳ないです。

2009/9/12 Written by Lowrence/Singapore