あずまきよひこ/あずまんが大王 新装版


はじめに

今回、たまたま最終巻である3巻の発売日まで日本に滞在していて、なんとか全巻揃えることができました。
何故か、シンガポールのほうには置いてなかったんですよね。
まぁ、そんな私情は置いておきましてレビューに移ります。
今回は、「よつばと!」でもおなじみの「あずまきよひこ作:あずまんが大王」です!


基本事項

ストーリー

共学の高等学校を舞台にした学園物コメディ。
大阪、ちよちゃん、とも、よみ、神楽、榊さんの6人をメインキャラクターに据えて、入学から卒業まで様々なイベントを通して日常を描いていく。

レビュー

高校生活を軸とした日常を描いている作品です。
「日常」とはいっても、「よつばと!」で描いている「日常」とは違った印象を受けますね。
よつばと!」ではクスリと笑ってしまうようなシーンが多かったんですが、「あずまんが大王」では結構爆笑してしまいました。
なんというか、「あずまんが大王」では意図的に笑わせようとしているというか、「ここでは笑ってくれ!」というような狙ったシーンがあるといいますか、そんな感じです。
4コマ漫画なので、「起承転結」ということでオチがあるのは当たり前といえば当たり前なんですが。
よつばと!」と大分作風が変わってしまったので受けた印象なのかもしれませんね。


例えば、こんな作品があります。
(一点突破→負けず嫌い→ともちよ戦争)
頭は良いけど、まだ10歳の子供であるちよちゃんの性格が表れていて、思わず笑ってしまいました。



また、背景の細かさや、小物類の描き込みという点で見ると、「よつばと!」の方が上だなと感じます。
まぁ、それも当たり前の話ですね。
あずまんが大王」は4コマ漫画という形式ですから、キャラクターの動きをメインに据えるのは当然でしょう。
ところどころで4コマ形式ではなく、普通の漫画と同じような形式で描いているところがありまして、そのようなところでは背景なんかも描き込まれています。


他に絵柄に関することとして、大分「よつばと!」の影響を受けていることがあげられます。
描きおろしのページだけではなく、多くのページに修正・加筆が入っています。
ただ、全部が修正されているわけではないので、読んでいると若干違和感を覚えます。
私は、旧版も読んだことがあるので特に困ったわけではないのですが、はじめて「あずまんが大王」を読む方は、「えっ? あれ? え、絵が急に変わったぞ?」と戸惑うかもしれませんね。

旧版

新装版

瞳の描き方が大きく変わっています。
全体的にシンプルな絵柄といった印象です。


最後に、読み終えて感じたこととして、「10年前の作品である、という古臭さは微塵も無い」ということがあります。
旧版の「あずまんが大王」でも爆笑した記憶があるんですが・・・10年経っても面白いものは面白い。
新装版で絵柄は変わっても、「あずまんが大王」は「あずまんが大王」でした。
今読んでも、面白い、そして新しく感じる作品ということで、その点は凄いのではないかな、と思います。
旧版を持っている方でも、そうでない方でも、広い世代にわたって楽しめる作品だと自信を持って言える作品です。


※おまけというかなんというか。

各巻の最初には、「ゲッサン」で連載していた際のカラーページも掲載されてます。


後記

日本に一時帰国をしていた3週間弱。
受験勉強真っ只中の私でしたが、ストレスは「あずまんが大王」で笑うことで発散していましたww
本当に良い作品だと思います。
漫画の帯にも描いてありましたが、確かに「再読性」があるなぁ、と。


あずまんが大王1年生 (少年サンデーコミックススペシャル)

あずまんが大王1年生 (少年サンデーコミックススペシャル)

あずまんが大王 2年生 (少年サンデーコミックススペシャル)

あずまんが大王 2年生 (少年サンデーコミックススペシャル)

あずまんが大王 3年生 (少年サンデーコミックススペシャル)

あずまんが大王 3年生 (少年サンデーコミックススペシャル)